お知らせ

2014.3.19

講演「借金問題で命を絶たないで」

―― 3月は『自殺対策強化月間』です。 ――

最近、テレビCMなどでこのようなフレーズを耳にしませんでしたでしょうか。

「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現を目指し、関係者と連携し、
社会的な取組として自殺予防対策を行い、自殺者の減少を図ろうという企画で、
この3月は長野県においても様々な対策、取組が行われているものです。

この『自殺対策強化月間』の取組みの一環として、先日、北信保健福祉事務所
企画の研修会において、「借金問題で命を絶たないで」と題した自殺予防に関
する講演を行って参りました。

参加対象者は民生委員等の、いわゆる「ゲートキーパー」の方々で、研修会の
前半は、精神科医の先生がうつ病に関するご講演を行われ、研修会の後半に、
自殺につながりやすい法律問題とされる借金問題に関し、私が講演を担当させ
ていただいた次第です。

ご存知の方もおいでかもしれませんが、ゲートキーパーの役割は、

「気づき → 傾聴 → つなぎ → 見守り」といわれています。

われわれ法律家は、法律問題を抱える方から法律相談を受けることで初めて、
その問題の解決のために知識や情報を提供したり、あるいは、代理人として
事件を受任し、一緒に問題を解決していく、という機会を得ることができます。

しかし、例えば借金問題で自殺を考えるほどに悩んでいる方は、恐らく、これ
をいきなり弁護士に相談しようとは思い至らないでしょうし、思いついたとし
ても、「敷居が高そう」、「どうやって相談をしたらいいのか分からない」、
「そもそも相談に行く気力が湧かない」といった事情により、実際に法律家の
目の前で悩みを相談するという場面まで行きつかないのが実状だと思われます。

つまり、われわれ法律家は、日常の中で悩みを抱える方々と最初に接触する機
会を持つゲートキーパーの方々が、そのような悩みを抱えている人の存在に
「気付き」、その悩みに「傾聴し」、悩みの中に法律問題が含まれている場合
に、われわれ法律家に「つなぐ」という行動をとってくれることで、初めて、
その悩みの解決のために力を発揮する機会を得られるわけです。

もっとも、そのような役割を果たす立場にあるゲートキーパーの方々が、
「弁護士は敷居が高い」、「どうやって相談したらよいのか分からない」、
「相談するだけで高いお金がかかりそう」「相談して本当に解決できるのか
具体的なイメージが持てない」といった印象・感想をお持ちであれば、
結局、われわれ法律家に「つなぐ」というところまで至らないでしょう。

そこで、例えば自殺に結びがちな借金問題について、ゲートキーパーの方々に、
・弁護士等の専門家に相談するにはどのようにアクセスしたらよいか
・相談費用、委任費用の問題はどのようにクリアしたらよいのか
・弁護士等に相談した場合、具体的にどのような解決が想定されるのか
といった基本的な点についての知識・情報を得ていただくとともに、
弁護士と気軽にコンタクトをとれるという印象、関係を築いていただくことで、
今後の「つなぎ」の一助となるのではないかと考え、今回のような講演を行っ
て参った次第です。

過去にも民生委員等のゲートキーパーの方々を対象とした同様の講演を行った
ことがあり、また、テーマは異なるものの、看護学校生、中学生、消防職員、
市役所職員、保険会社社員といった方々を対象とする講演等も行ったことがあり
ますが、このような色々な年齢、立場、職種の方々と、色々なテーマでお話でき
る機会を与えていただくことで、地域社会において弁護士がより一層身近な存在
になっていければ嬉しいです。

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